悪魔が頂き!の戯言日記

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痛車やアイマスやドールに手を出したら、いつの間にか結婚したオタの日記。

「君の名は。」

ハイ、公開以来話題となっている「君の名は。」、ようやく鑑賞してきました。



新海監督のファンなので、大ヒット云々関係なく、当然に鑑賞予定でした。
なお、過去の作品の鑑賞記事はコチラ。
 「雲のむこう、約束の場所」 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/a_kuma_get/20041223 / http://d.hatena.ne.jp/a_kuma_get/20050301
 「秒速5センチメートル」 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/a_kuma_get/20070501 (改めての感想記事 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/a_kuma_get/20070502
 「星を追う子ども」 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/a_kuma_get/20110521
 「言の葉の庭」 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/a_kuma_get/20130608


ザ・モール周南のMOVIX周南にて、モーニングショーで。
10:35からということで9時過ぎには家を出たら、なぜか2号線が大渋滞!?
実は、事前にクレカで予約購入していたから、「遅れたから次の回にしよう」というわけにもいかず、
内心は相当焦っていたんですが、なんとか、オープニングの途中で席に着くことができました・・・。


そんなわけで、あくまで個人的に思ったことは・・・






※以下、詳細は書かないものの、大いにネタバレになりうる内容を含んでいます。情報を回避したい人は見ないでください。













まずは、結末を見て、「あ、そうなっちゃうんだ」と思いましたね。
いや、今までの新海監督の作品を見てると、この結末の手前で終わるのが通常でしょうからね。
ま、この結末にしたからこそ、一般受けもして大ヒットとなっているんでしょうが。


ただ、何と言うか・・・なんか、あっけなくと言うかあっさりと言うか、取って付けた様な結末にも感じられました。
要は、あの結末を迎えるまでの苦しみと言うかカタルシスと言うか、そういうものがほとんど描かれていないので、そう感じたのかもしれません。
あの間は、作品内でも数年の時間が過ぎていますし、それこそ、「秒速5センチメートル」の第三話のような内容がそのまま入ってもおかしくないような気がします。
それでいてあの結末なら、ラストで、また感動できたのかな、と思います。


ただ、改めて思ったのは・・・実は、そんなに苦しみとか無かったのかも知れません。
秒速5センチメートル」で言えば、明確に心に想っている対象がいて、その人のことをつい思い出したり探したりしてしまう感じでしたが、
君の名は。」においては、そういう意識がかなり薄く、「ただ、何かが足りない、満たされない」という感覚しかないのでしょう。
だから、もしかしたら、あのラストには、そこまで感動しなくても良いのかも知れません。
お互いを、必死に探し回ったわけでもなければ強く想い合ったわけでもなく・・・ただ、知らない者同士なんだけど、「あ、この人だ」と思える感覚。
もしかしたら、「『運命の人』『運命の出会い』とは、こういうものなんだ」といういのを描いてるのかも知れません。
本人たちにとっては、何か、軽く惹かれあう程度。
でも、それよりも以前・・・過去・・・前世・・・因果・・・、そういうもので“結び”があったのかも知れません。


そもそもが、2人が実際に触れ合った瞬間。
あのシーンこそが、結末なのかも知れません。
そして、その後は、いわばエピローグ。
実際、あの後、どうやって未曾有の危機から皆を救うことが出来たのか、最後の大事な部分は描かれていません。
皆が助かったという結果のみ、そしてその結果が今に続いていることくらいしか描かれず、そしてラストにつながります。


今までの新海監督の作風から言えば、2人が実際に触れ合い、そして消えたところが、結末のような気がします。
妥協するとして、その後に皆が助かったという結果までかな、と。
なので、今まで新海監督の作品を見てきたものとしては、個人的に、少し違和感を覚えたラストでした。
ま、上で書いた内容で終わっていたら、今までの監督の評価と同じで、メジャー受けはしなかったでしょうけどね(w


そして、現時点での個人的な評価は・・・
秒速5センチメートル」の方が、少し上かな、というところでしょうか。
あ、スミマセン、石投げないでください(^^;
いや、おそらく、多分に思い出補正が入ってるとは思うんですよね。
今作で、多くの人が言われている「映像美」。
おそらく、多くの人が新海監督の作品を劇場で見たのは初めてなのではないでしょうか。
だからこそ、あの初めて出会う「映像美」には、絶対に感動すると思います。
ただ、自分は、その「映像美」には、すでに出会ってしまっている。
いや、もちろん、今作の映像美は、過去の作品と比べるべくもないと思うんですよ。
それはわかります。
ただ、自分にとって、新海監督の作品をいくつか見てきて、まさに息を呑むほどの映像美を感じたのが「秒速5センチメートル」なのかな、と。
その分の思い出補正が、どうしても加わっているのかな、と・・・。


あと、ストーリーとしても、どうしても「秒速5センチメートル」の方が心に響いたんですよね。
以前にも書いた気がしますが、心に響く=感動と言うのは、喜怒哀楽のどれにしても、いかに自分の心と共感できるかによると思うんですよ。
今作にしても、主人公やヒロインのような経験を実際にしたことがある人は、まずいないでしょう(w
ただ、気になる人がいる、いつの間にか惹かれ合っている人がいる、その人と直接会えないにしても、何らかのやり取りはできていた。
しかし、ある時を境に、そのやり取りが一切できなくなった。その人との思い出も消えていってしまう。もう2度と思い出すことさえできなくなってしまう。
だから、お互いが強く探しあい、求め合い、その末に、ようやく実際に会うことができた。
こういうことに近い経験なら、もしかしたら多くの人がしたことがあるのかも知れません。
そういう経験がある人にとっては、この作品は大いに共感でき、大いに感動できるものになると思います。


今の自分にとって、そういう経験は・・・いや、あると言えばありますね(w
あれ、でも、なんか自分の経験とは結びついてないな、コレ・・・。
んで、「秒速5センチメートル」を見た当時は、あの「過去の思い出をいつまでも引きずって、結局、前に進めずウジウジしていまう」内容に、
非常に強い共感を覚えてしまったからこそ、良いか悪いかはともかく、心に強く残っている作品となっているのだと思います。
(このあたり、「秒速5センチメートル」の改めての感想記事内で、同じようなことを書いていますが)


ま、結局は、私の個人的な記憶や感情にとっては、「君の名は。」よりも「秒速5センチメートル」の方が、より共感を覚えたというだけのことです。
だから、どちらが作品として優れているかとか、そういう問題ではないわけです。
おそらく、一般的な恋愛経験とかをしてきた多くの人にとっては、「君の名は。」はとても感動できるでしょう。
一方、恋愛経験が乏しかったりして、なかなか先に進めない人にとっては、「秒速5センチメートル」の方が心に響くでしょう・・・胸をえぐられる様な意味で(w


でも、何度も言うように、「君の名は。」は、非常にすばらしい作品だと思います。
相変わらず、1回だけでは把握し切れていない部分もありますし、そもそも最初からちゃんと鑑賞できていないので、また改めてみてみたいですね。